日本初情景型美術館を誇る南城美術館のなかでも、常設展示室の『美宿館』はその名の通り、美と居住空間が見事に融合した、〝美は生活の中、暮らしの中に存在する〟という美術館のコンセプトをそのまま体現した空間となっています。 玄関、リビング、ダイニング、和室、寝室など伝統的な日本家屋の各スペースには、50点以上もの国内外のアーティストの作品がそれぞれの部屋に合わせて飾られています。〝アートのある室礼〟は、見る人へ新鮮な驚きと感動を与えると同時に、日常空間で美を楽しむことへの多くのヒントが散りばめられています。〝すべての人は生活表現者というアーティストであり、すべての家は飾られる作品の値段や価値に捉われることなくArt Home/アートホーム、小さな美術館になれる〟という視点と発想から、この『美宿館』は誕生しました。
アートは決して、ガラスケース越しの展示室で観賞するだけの遠い存在のものではありません。家の中でももっと気軽に親しんでいただける身近な存在です。時には、アート作品が人々の心を癒してくれることもあるのです。
さらに、玄関に向かって建物右側の部分はイベント室になっており、床の間や茶道のための室礼がある広々とした畳間と、ソファやアンティークのグランドピアノが配置された現代的な空間がひと続きに展開されています。このスペースでは、琉球舞踊や三線などの伝統的な琉球芸能文化と洋楽を組み合わせた演奏会など、新しいマッチングによるイベントも不定期で開催しております。アートや芸能を通しての琉球文化、日本文化、西洋文化の融合を、よりくつろいだスタイルでお楽しみいただけます。